<略歴>
1951年(昭和26年)宮崎県日向市東郷町生まれ
富島高(日向市)を卒業後、京都府警に警察官として勤務。
稼業の農業などに携わるため33歳で帰郷し、その後旭化成関連会社に勤めた。
フォレスト・フレームを林業振興に生かす事業計画が2月、県森林整備加速化・林業再生事業の補助対象に選ばれた。


テレビ西日本 取材(美の鼓動・九州 2018.08.12 放送)
【forest frame 矢野宗一】
今回の主人公はフォレストフレームをつくる、矢野宗一。
見るものを惹き込むのは、額縁の中で息づく「自然」。
誰もが心の中に抱く、原風景。

日本国内でだけではなく世界の人々から注目され始めた為、「フォレストボックス(立体絵画)」から「フォレストフレーム」という名称に変更させて頂きました。

<人を癒やす立体絵画>

木箱を額縁に見立てた「立体絵画」を手がける。森林や滝を撮影した写真を底に貼り付け、枝などで作ったミニチュアの樹木や動物を置くことで森の光景を再現する。大手電機メーカーと共同で、音が出る製品の開発に取り組んでおり、「鑑賞する人がその場にいると錯覚するようなリアル感にこだわりたい」と研究に余念がない。

「ピーヨ、ピーヨ」

高さ45センチ、幅70センチ、奥行き10センチの木箱から、小鳥のさえずりや川のせせらぎが聞こえてくる。インターネットで生配信された、諸塚村の森林の音だ。「大都会で暮らす住民や入院患者、寝たきりのお年寄りといった野山に足を運ぶ機会が少ない人々に、自然を身近に感じてもらえれば」制作への思いを語る。

2011年12月、地元の企業を定年退職。若いころから余暇に行っていた木工に、本格的に取り組むようになった。立体絵画づくりは、テレビで森林の映像を見ていて思いついた。「古里の森林の光景を模型で立体的に再現すれば、より癒やされるのではないか」

材料は園芸用のスポンジや森林組合から譲り受けた雑木。スポンジを地面に見立て、枝や小石、コケなどを取り付ける。

劣化を防ぐため、枝や葉は特殊な薬液で水分を取り除く。コケは乾燥させた後に着色する。

精巧な出来栄えを知った人から「病院に飾ると、闘病患者が癒やされる」「店のオブジェに使いたい」などと引き合いが相次ぐようになった。こうした評判に、諸塚村などの国内3か所の森林に設置した集音マイクの音声をパソコンやスマートフォンに配信している大手電機メーカー「JVCケンウッド」(横浜市)が着目。立体絵画をスピーカーとして使うことで、より自然を感じられる商品づくりを目指す。

木製スピーカーは本来、音の響きが良いクリやナラなどの硬木が適しているが、県で多く生産される杉を活用したいと音響実験を重ね、高樹齢の杉は硬質で適していると分かってきた。

森や滝の背景写真の撮影や木彫りの動物づくりには、趣味の仲間が協力してくれる。昨秋から始まった共同開発は大詰めを迎えており、8月頃には県内各地の自然をアピールする完成品を披露する予定。「林業振興やシニア世代の雇用につながる事業に育てるのが夢」。第2の人生に意欲を燃やしている。(河村輝樹

わたしのふる里宮崎
主宰 矢野宗一
〒883-0211
宮崎県日向市東郷町坪谷832番地イ
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TEL&FAX:0982-63-4005